隣の乾草は青い

朝、乾草をもらった、あんず。
脇目も振らず、一心不乱に食べています。
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食べることは、馬にとって、
大いなる愉しみの一つです。

それを、うらやましそうに見つめる鹿毛じゃなかった、影が。
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「あんずさ~ん、美味しそうだね。
それ、ボクにもちょうだい♪」

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「あんずさ~ん、聞こえてる~?」
「・・・」
「ちょうだいってば~」
「・・・」
「けち~」

・・・いや、あなたの足元にもタップリあるでしょ。
「え、気付かなかった~」
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「モグモグ・・・幸せ~。
お隣さんが食べている方が
美味しそうに見えたんだよね~」

恐らく味は一緒だと思いますよ、バルト。
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「ま、そうだよね~」