の行く先
毎年、3月過ぎくらいになると、
カラスをいつも以上に見かけるようになります。
クラブハウスや洗い場の屋根、
馬場のラチにまで…
かなり近くにまで飛んでくるのですが
彼らは何をしているのでしょうか……?
この時期と言えば
もう一つ。
「換毛期」
夏毛から冬毛に、
冬毛から夏毛に。
馬たちは季節に応じて、衣替えします。
冬毛が抜けて
夏毛に生えかわる、まさに今
この時期は特に大量の毛が抜けるため
お手入れが大変になります。
今年は冬の間も暖かい日が多かったせいか
例年よりも抜け始めが早かったような気がします。
個体差はあるものの
少し落ち着いてきたかな?
という馬もチラホラ…。
そんな中、毛量の多い中間種たち…
「こんな抜けたらハゲへんかな…」
と思わず心配になるほどに抜けます。
まぁそんな心配も吹っ飛ぶくらい
お手入れが大変です…
まずは
プラスチックブラシをかけ…
すでに自身も毛まみれですが、
さらに
ゴムブラシを…
溜まっていく抜け毛たち。
辺りは雪が降ったように…
最後に
仕上げの毛ブラシをかけて
お手入れ終了です。
ちょっとはスッキリしたかー?
馬のお手入れが終わったら
今度は道具のお手入れへ
大量のアム毛がくっついています。
ブラシのお手入れ
意外と…どころかかなり大変ですよね。
ただ毛を取っている
と言う人に、少しポイントを。
一番やっかいそうな仕上げブラシは
ゴムブラシとこすり合わせます。
ポイントは
「一定方向に」
上から下、上から下
というように…
だんだんと集まってくるので
塊を取ればそこそこキレイに。
クラブのブラシをお使いの方へ
1本たりとも残っていたらダメ
なんてことは無いので、ほどほどに
キレイにして頂ければ充分です。
次に使う人のことを考えてあげよう
という心がけが大切ですね。
そして、
毛ブラシ以上にやっかいだったりする
プラスチックブラシ
プラスチックブラシは
洗い場の床などで下に向けてトントン
この時、注意して頂くのが
力ずくでトントンしないこと。
必要以上の力を加えれば、
ブラシの破損に繫がってしまいます。
トントンしているうちに
毛が少しずつ浮いてきます。
上手くトントンしていけば…
わりと塊になって取れます。
上手く塊になったらラッキーです!
こちらのプラスチックブラシ…
大量に毛が詰まっています。
このブラシも同じようにトントン…
浮いてきました
先ほどのアム毛よりも、まとまります
取れた物体がこちら。
この茶色の塊を見ると、いつも…
「ハンバーグのタネにしか見えない」
冗談はさておき…
上手く取れればこんなにキレイに!
出来上がったタネは
紙袋の中へゴーします。
ただ、ここまでキレイに
塊で取ろうとするにはいくつか条件が。
一つは、
ある程度の量を抜いて、かつブラシに留めておくこと。
抜いた毛が少なすぎると上手く塊になりません。
二つめは、
馬それぞれの毛の質による、ところ。
細めでやわらかい感じの毛は、
量が集まれば勝手にまとまります。
1本1本が太くかたい感じの毛は、
パラパラと崩れてしまい上手く
まとまらないことが多いです。
なので、
トントンしてもきれいにならない!事もあります。
その場合は取れる分だけで大丈夫です。
道具のお手入れの後は
後片付けへ
この散らばった毛たちは
箒で集めて捨てます
ちりとりで集めた時に
指で掴めるくらいの塊は
洗い場に置いてある紙袋へ
ちりとりに残った毛と砂など混じったものは
一旦ザルへ
ザルで、
キレイな砂とそれ以外に振り分けます。
ザルに残ったゴミに関しては
黄色い桶へ
ザルから出たキレイな砂は
馬場へ
ここまで出来たら完ぺきですね~
お時間に余裕のある方はぜひお願いします!
さてさて…
再び冒頭の話題に戻ります。
この時期、
やたらとカラスがやってくる
その理由、それは…
馬たちの毛を集めるため。
巣作りの材料にするようで
お手入れ中に風などでいろいろな所に
飛ばされた毛を集めているのでした。
この写真で
咥えているものは、毛ではありませんが
こんな感じで上手に咥えていきます。
毛を持って行ったカラスを追っていると
くちばしと足を上手に使って
丸めているのを見ることもあります。
本能的なものでしょうが
「自然ってすごいなぁと…」
こんな体験が出来るのも
この環境ならではだからと
感謝したいですね。
自然と触れ合える大切さを
実感するこの頃でした。